平均の平均は平均ではない間違いやすい数字の話
みなさんこんにちは。白豚です。
私は大学教員をしています。
今回は間違いやすい数字の話第二弾をお届けしたいと思います。
第一弾では%(パーセント)についての間違いやすい数字の話をお送りしました。
今年は新型コロナの影響で例年と比べて進みは遅いのですが、わたしは大学教員として卒業論文の指導もしています。
卒論の内容は毎年さまざですが、みななんとか書き上げて学生は卒業していきます。卒論指導をしていると毎年人が変われど毎年同じような間違いがおきます。
その一つに平均の平均を平均として計算してしまうというものがあります。
数字の話で難しそうと思うかもしれませんが株式投資を行う人であれば知っておいた方が良い内容なのでぜひみなさん最後まで読んでください。
クロブタさんのちびちび買付けで学ぶ平均の話
ここからは白豚のモットーであるちびちび買付けを例に挙げてお話をしていきたいと思います。
とあるところにクロブタさんという投資家がいました。
クロブタさんは一括買いをするとなかなかいい思いをすることができないので、米国株をちびちび1株ずつ買っていくちびちび買い投資家でした。
そんなクロブタさんはとある米国株であるshirobuta社(ティッカーコード:SBTA)を買付けたいと思っていました。
そこでクロブタさんは毎回1株ずつちびちび買付けていくことにしたのです。
4月には130円、140円、132円で3回の買付けを行いました。
5月になるとSBTAの株価が暴騰し1株180円になったのでこの月は1回しか買付けを行いませんでした。
ところが何ということでしょう。6月は株価が暴落し110円台前半となりました。そこでクロブタさんはここぞとばかりに3回の買付けを行いました。その株価は111円、111円、114円でした。
7月になりました。ボーナスをあてにしていたクロブタさんでしたが今年は新型ウィルスの影響でボーナスゼロとなってしまい、現金比率を高めることができませんでした。
そこでなけなしの現金をちびちび2回投入して買い付けを行いました。その株価は110円と106円でした。
さて、問題です。
クロブタさんのSBTAの平均買付け価格はいくらでしょうか!?
正解は、126円でした!
計算方法は(130+140+132+180+111+111+114+110+106)÷9(買付け回数合計)です。
ここで、下の表を見てください。
平均買付け価格は126円で正しいのですが、その横に各月の平均買付け価格を平均したものが赤枠で囲まれています。
これがいわゆる平均の平均です。この場合では133.5円となっています。
先ほどの126円とは差があります。
このように、毎月の平均買付け価格の平均と全体の平均買付け価格は異なる数字になるのです。
平均の平均が平均の場合もある
毎月の平均買付け価格の平均と全体の平均買付け価格が同じになる場合もあります。
どのような時かというと、毎月の買付回数が同じ場合です。
下の表を見てください。
これは毎月3回SBTAを買付けた時の表になります。
毎月の回数が同じになってい場合には、全体の平均買付け価格と、毎月の平均買付け価格の平均が同じになるのです。
ここではどちらも133.5円になっています。
数字のリテラシーを高めることは超大切
さて、今回は大学教員の白豚がおくる、クロブタさんがSBTAをちびちび買付ける事例を用いて平均の平均は平均ではないというお話をしました。
このようなデータ集計のミスは毎年卒業論文を指導しているとおこります。
卒業論文で間違えるなら正してあげればよいのですが、社会に出てからはお金の話でこのようなトリックに騙されないようにしなければなりません。
数字は嘘をつかないが、うそつきは数字で語る。
数字を取り扱うリテラシーを高めることは非常に大切です。
大学生の皆さん卒論で数字リテラシーを高めてください。
以上間違いやすい数字の話でした。
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